マイクロソフトの株価は10年後どうなる?
2022年から下落トレンドにあったマイクロソフト株。
直近はChatGPTでの躍進もあり、上場来高値を更新しました。
とはいえ、今後もマイクロソフトは成長株であり続けるのか?もしくは天井なのか?
長期の株価が気になる方も多いでしょう。
資産運用歴8年の筆者が、マイクロソフト社の下記についてまとめました。
- 事業概要や最新動向
- 壮大な研究開発プロジェクト9選
- 買うべき?割高感を確認
- 10年後の株価予想
グラフや定量指標などを交えて分かりやすく解説するので、ぜひ最後までご覧ください!
なお、本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘の意図は一切ございませんので、ご了承ください。
マイクロソフトの株価は10年後どうなる?
まずは事業概要や最新動向をおさらい
ビジネスプロファイル
項目 | 内容 |
---|---|
会社名 | マイクロソフト株式会社 |
創業年 | 1975年 |
本社所在地 | アメリカ合衆国 ワシントン州レドモンド |
創業者 | ビル・ゲイツ, ポール・アレン |
現在のCEO | サティア・ナデラ(3代目) |
2024年度の売上高 | 2451億ドル (約343兆円) |
ビジネス展開国の数 | 190か国以上 |
日本への進出年 | 1978年 |
マイクロソフトはアメリカの大手IT企業。
パソコンOS「Windows」や、PowerPoint、Excelなど私たちの生活に欠かせない製品を数多く生み出しています。
また、創業者のビル・ゲイツは超がつく大富豪としても有名ですね。
事業ポートフォリオ(2024年通期)
マイクロソフトの事業セグメントは三つで構成されています。
GAFAMや大手テック企業の中でも、事業のバランスが良いです。
もう少し分解すると下記のようになります。
- OSデバイス事業
代表的な事業:パソコンOS「Windows」、ノートPC「Surface」、ゲーム機「Xbox」など
売上比率:25% - ソフトウェア事業
代表的な事業:MicrosoftOffice(PowerPoint、Excel、Teams…)、ビジネスSNS「LinkedIn」など
売上比率:31% - クラウド事業
代表的な事業:Azure
売上比率:43%
マイクロソフトは、元々はWindowsを中心とした「OSデバイス事業」が主力でしたが、徐々にクラウド事業にシフトしてきました。
有名なのは、クラウドサービス「Azure」です。
10年以上の長期に渡る投資が実り、今では売上の半分弱をAzureなどのクラウド事業が占めるようになりました。
業績推移
上記は、過去5年の業績推移です。
売上高と営業利益率は右肩上がり。成長率も二桁中盤を維持しています。
創業から50年近くなのに、驚異的な成長率ですよね。
各数字を表にもまとめました。
売上高(Billion USD) | 前年比 売上高成長率(%) | 営業利益率(%) | |
---|---|---|---|
2020 | 143.0 | 13.7 | 37.7 |
2021 | 168.1 | 17.6 | 41.0 |
2022 | 198.3 | 17.9 | 41.6 |
2023 | 211.9 | 6.8 | 42.0 |
2024 | 245.1 | 15.7 | 44.6 |
ちなみに、235Billion USDは、日本円にして30兆円超。
人員削減などにより営業利益率が高まり、ビジネスの効率も高まっています。
株価推移(過去5年間)
過去5年間の株価チャートです。
高い成長期待に応えるようにしっかりと応え続け、ここ5年で株価は右肩上がり。
時価総額でいうと、AppleとNVIDIAと並び今やTOP3の常連です。
10年・20年、、、と長期で見てもキレイな右肩上がりで、見惚れてしまいますね。
ちなみに、上記のグラフをピンチイン・ピンチアウトすると自由にチャートを拡大、縮小できます。
他銘柄とのチャート比較などできますので、ぜひ色んな角度から眺めてみてください!
配当金の推移
マイクロソフトは成長株でありながら、安定した配当を出しているのも特徴です。
しっかりと業績が伸びているので、毎年10%前後と高い増配率を実現しています。
一方、株価の上昇ペースが早いため、配当利回りとしては0.5%〜1.0%程度です。
高配当株とは言えないですが、10年など長期保有すれば、取得価格あたりの利回りは十分期待できるでしょう。
表にもまとめました。
年度 | 1株当たり配当金 (USD) | 増配率 (%) |
---|---|---|
2020 | 2.04 | 10.9 |
2021 | 2.24 | 9.8 |
2022 | 2.48 | 10.7 |
2023 | 2.72 | 9.7 |
2024 | 3.0 | 10.3 |
過去5年、10年の株価上昇の背景
今後の株価を占う研究開発を紹介する前に、現在のマイクロソフトがなぜここまで評価されているのか、その理由を3つにまとめました。
1.サブスクモデルの成功
マイクロソフトは1990年代から、ExcelやPowerPointといったOffice製品で圧倒的シェアを握っていました。
しかし、当時は買い切り型だっため、一度購入されるとその後の追加収益はなく、収益の不安定さにつながっていました。
そこで、マイクロソフトは2011年にOffice製品を”Microsoft365”としてリブランディングし、クラウド化&サブスクリプションモデルへ移行しました。
サブスクリプションモデルでは、ユーザーは月額or年額で料金を支払うので、企業は安定した収益を上げられます。
また、ユーザーからすると、クラウドサービスなので常に最新の機能を利用できるので、利便性向上になります。
このような経緯で、マイクロソフトは主力事業のOfficeビジネスを再加速し、業績の伸長に貢献しました。
2.Azureの成功(クラウドシフト)
2014年にマイクロソフトのCEOに就任したサティア・ナデラは、「クラウドシフト」を掲げ、マイクロソフトをクラウド中心の企業へと大胆にシフトさせました。
特に、ナデラは急速に拡大するクラウド市場に着目し、クラウドサービス「Azure」の強化を最優先にしました。
ナデラのリーダーシップの下で、マイクロソフトはクラウド事業に多大な投資を行い、今ではAzureがマイクロソフトの成長を牽引する主要な収益源となっています。
世の中のクラウド化の波に乗り、AzureはAmazon Web Services(AWS)に次ぐ第2位のクラウドプロバイダーとしての地位を確立しました。
今でも毎年30%ほど売上が増えてます!
3.AIへの積極投資(OpenAIとの連携)
マイクロソフトは、更なる成長のために、AIへの積極投資を行っています。
特に、生成AIソリューションであるChatGPTを開発するOpenAIとの連携が、近年大きな話題となっています。
マイクロソフトは、OpenAIがChatGPTを発表する3年前(2019年)には、既に10億ドル(約1100億円)を出資しており、今では49%の株を持つ大株主として、OpenAIの意思決定に大きな影響を与えています。
そして、この投資により、マイクロソフトはOpenAIの技術をAzureやOffice製品に優先的に統合することができ、ユーザー体験の向上を図っています。
例えば、Microsoft 365の「Copilot」機能では、WordやExcelでの作業を自動化したり、データ分析を支援するなど、生成AIが実務に直接役立つツールとして利用されています。
主力のOffice製品やAzureの売上を再加速する起爆剤として注目されています。
4.充実の株主還元
マイクロソフトは配当金と自社株買いで、充実の株主還元を実施しています。
配当金は上記で紹介した通り、高い増配率を維持しています。
また、2024年9月には日本円にして8兆円超の自社株買いが発表されました(自社の株を買うので、株価の押し上げ効果があります)。
好調な業績もさることながら、このような充実した株主還元が、多くの投資家を引き込んでいます。
10年後の株価を占う壮大な研究開発・プロジェクト9選!
米国マイクロソフトのニュースリリース等から、マイクロソフトの研究開発プロジェクトを9つまとめました。
今回紹介する研究開発プロジェクトが、10年後には、マイクロソフトを支える大黒柱になっているかもしれません。
データセンターへの大規模投資
マイクロソフトは、Azureデータセンターの大規模な増設を発表しています。
例えば、代表的なものだけでも、下記の投資計画が発表されています。
- 日本に4,400億円
- フランスに6,700億円
- マレーシアに3,400億円を投資
- インドネシアに2,680億円
今から建設するので、今後5年・10年でAzureのデータセンターが加速度的に開設される見込みです。
この大規模投資の背景にあるのが、生成AIの普及によるAzureニーズの増加です。
Azureはこれまでもおおよそ年率30%以上のハイペースで成長してきましたが、生成AIがそのペースを一段と押し上げると期待されます。
現に、2024年3月時点で、マイクロソフトのCFOが「AIサービス需要の増加が供給を圧倒している」と述べ、既にAzureインフラの不足が課題になっていることが伺えます。
今後、来るべき収益機会をしっかりと刈り取るために、今から中長期でクラウドインフラを増設しているというわけです。
自社製CPUの開発
データセンターを動かすにはCPUやGPUといったチップが必要です。
チップ性能がデータセンターの処理性能に直結する中、特に今後の生成AIブームでは、より高性能なチップをより多く確保することが重要です。
一方、マイクロソフトなどのIT企業は、基本的にIntelやAMD、エヌビディアといった外部メーカーに供給を頼っています。
もちろん良い面もあるのですが、外部から仕入れることにより、
- 固定費としてコストがかかってしまう
- メーカー側の事情により供給制約を受ける可能性がある
といった課題があります。
現に、直近は各社がこぞってエヌビディアのGPUを求めたため、供給不足に陥ってしまいました。
そこで2023年11月、マイクロソフトはAzure Cobalt 100とMaia 100という2つの独自チップを発表しました。
上で紹介した、今後のデータセンター増設に合わせて、徐々に自社チップに切り替えていくことが予想されます。
自社に最適化した設計が可能で、かつ調達原価を削減できるので、中長期ではAzureの競争力強化や利益率向上につながる可能性があります。
海中データセンター開発(Project Natick)
「Project Natick」は、海中データセンターの実現可能性を検証するプロジェクトです。
データセンターといえば陸地にあるものですが、実は2つの課題がありました。
- ヒトの居住地から遠いため、通信が遅延する
- サーバを常に冷却する必要があり、大量の電力を消費する
これらの課題を解決するために、マイクロソフトは海中データセンターというアイデアを着想しました。
海中データセンターのメリットは下記です。
- 海水で自動冷却されるため、電力消費が少ない
- 風力発電、太陽光発電などは沿岸にあることが多く、再エネを活用しやすい
- データセンター中を窒素で覆うことでマシンが酸化せず、メンテコストを大幅削減可能
なお、「Project Natick」の取り組みは、2024年現在終了していることが明らかになっています。
マイクソフトの幹部は「海面下でのオペレーションや振動、サーバーへの影響など学んだ多くのことを、それらを他のケースにも応用していくつもり」と発言しており、今後増設するデータセンターの重要なインプットとなった可能性があります。
石英ガラスにデータを保存(Project Silica)
「Project Silica」は石英ガラスと呼ばれる高強度なガラスにデータを保存するプロジェクトです。
世界のデータ保存量は増加傾向にありますが、ストレージ技術の進化は追いついていません。
特に、長期保存が求められる「ハイバリューデータ」については、下記の課題がありました。
※ハイバリューデータ=非常に価値があったり、企業が保管を義務付けられているデータ
- HDDや磁気テープは、磁気や温度変化に弱い
- 5年程度しか保管できず、その度にデータの移し替えが必要
- 保管に膨大な手間・コストがかかっている
一方、石英ガラスの寿命は数10年から100年。
煮沸したり、250℃のオーブンで焼いたり、電子レンジで加熱しても、データが無事に取り出せることが確認されています。
ユースケースとしては、
- 患者の医療データ
- 金融規制データ
- 法的契約
など様々です。
マイクロソフトは、この技術をAzureに応用することで、増加し続けるデータストレージニーズに対応するソリューションの実現を目指しています。
途上国に高速ブロードバンド通信を提供(Project Mishtu)
「Project Misthu」は、通信インフラが整っていない途上国の人向けに高速インターネット通信を提供しています。
世界には80億人ほどの人口がいますが、高速ブロードバンド通信を利用できているのは、ほんの一握りです。
スマホでの動画視聴は年率83%の上昇が見込まれているにも関わらず、動画視聴に耐えらえる通信網の提供が行き渡っていないという課題もあります。
「Project Mishtu」は地域のコンビニなどに、Azureベースのネットワーク網を敷いて、高速ブロードバンド通信を提供します。
例えば、インドでは現地のメディアと連携することで、高速通信を提供するだけでなく、それらのメディアが提供する娯楽・教育コンテンツなどにアクセス可能としています。
もしこの計画が広範にスケールすると、
- 1000億ドルの経済効果
- 20億ドル分の新しい仕事
が生まれると考えられています。
インターネット環境が整うと、マイクロソフトのクラウドサービスを使える人が増えるので、企業側にとってもメリットがあります。
量子コンピューター as a service(Azure Quantum)
「Azure Quantum」はAzure上で、量子コンピューター機能を提供するサービスです。
量子コンピューターは、既存コンピューターの1億倍の計算スピードを持つと言われる画期的な発明です。
一方、自社で開発・メンテにするには膨大なコストがかかってしまいます。
そんな中、マイクロソフトは量子コンピューター機能をAzure上で提供することで、誰もが量子コンピューターを利用できる世界を目指しています。
既に、米金融大手Goldman SachsやENEOSといった大企業が、AzureQuantumを活用して業務を高度化しています。
今後、医療、金融など様々な分野における、高度な分析やモデリングなどへの活用が期待されています。
農業IoTプラットフォーム(Project FarmVibes)
「Project FarmVibes」は、マイクロソフトが持つクラウド・AI技術を用いて、データ駆動型の農業を支援します。
従来型の農業には、下記の課題がありました。
- 農家は異常気象や水害など予測不能な災害に見舞われる
- 農業機械の利用などでCO2を排出してしまう
- データ収集が難しいため、経験や勘に頼ってしまう
その課題を解決すべく「Project FarmVibes」は、農家が下記を実現するプラットフォームを提供します。
- 農家自身が排出するCO2削減量を測定すること
- 天候変化を予測することで、天候に適応した農業をすること
- 土壌の健康や農家の利益を最大化する適切な意思決定をできるようにすること
具体的には、下記のプロダクトが開発されています。
- FarmVibes.Connect
農業IoTにおける課題は、そもそも農場に電波が届かないこと。FarmVibes.Connectはブロードバンド通信で未使用の周波数を利用するなど、独自の方法により農地に電波を運びます。将来的には宇宙からの直接通信を構想中。 - FarmVibes.Edge
農地でデータを吸い上げたとて、大量のデータを農地からデータセンターに送るのは簡単ではないです。「FarmVibes.Edeg」はドローンがとらえた大量のデータを、分析に必要なデータだけ抽出・圧縮します。 - FarmVibes.AI
農家がデータ駆動型農業に取り組むための、アルゴリズムのサンプルセット。肥料や除草剤の理想量や散布場所を予測するアルゴリズムなど、基礎的なユースケースが標準搭載されており、専門知識がない人でも活用できます。 - FarmVibes.Bot
上記の機能をチャットボットを介して利用可能です。専用の機器がいらず、手元のスマホでインサイトが得られます。
FarmVibesはアフリカの一部の農家で既に利用されています。
XRプラットフォーム(Microsoft Mesh)
Microsoft Meshは、Azure上で構築されたメタバースのOSのようなもので、この上で様々なアプリケーションが提供されます。
現在は下記のようなアプリがマイクロソフトにより提供されています。
- MeshMicrosoftTEAMS
オフィスワークなどビジネスシーン利用 - Mesh Apps for Hololense
VRゴーグルを利用したコラボレーション - AltspaceVR
マイクロソフトが2017に買収したVRプラットフォーム
特に「Mesh MicrosoftTEAMS」は、TEAMSを利用していれば無料で使えるので、利用のハードルが低いのが特徴です。
また、オフィスワークに必須のエクセル、パワポなどのM365製品との連携がしやすく、ビジネスシーンでの利用が想定されています。
既に、大手コンサルのアクセンチュアやPwCがMeshを社内研修などに活用しています。
自立型航空機のシュミレーションPF(Project AirSim)
「Project AirSim」は、AIを活用した自立型航空機のシュミレーションプラットフォーム。
高度な3Dシュミレーションで街並みなどを再現し、自立型航空機の開発や訓練、テストを行います。
空の移動手段に関しては、下記の課題がありました。
- 訓練・テストに膨大な時間とお金がかかる
- 従来のAIシュミレーションを利用するためには、AIの深い知見が必要
「Project AirSim」は、AIが数秒で数百万回のフライトをドローンに学習をさせます。
現在、限定的なプレビュー版として提供されていますが、既に2件の導入実績があります。
- Airtonomy(インフラ点検ドローンの開発会社)
石油タンクの漏れの検出などを行う自律型飛行体の訓練で利用。米国ノースダコタでは7ヶ月間冬が続く厳しい環境なので、バーチャル空間での開発・訓練が有効。 - BELL(ヘリコプター製造会社)
ドローンの自律着陸能力を磨くためにプロジェクトAirSimを利用、AirSimを使うことで、数千の異なる着陸シナリオでAIモデルで訓練を行っている。
Project AirSumは、
- 送電線などのインフラ検査
- 混雑した都市での荷物や人の運搬
- 狭い鉱山の奥深くや農地の上空での作業
- 人の移動(空飛ぶ車)
などなど、潜在的な使用事例はほぼ無限大とされていましたが、2024年現在、この取り組みは終了したことがマイクロソフトからアナウンスされています。
マイクロソフト株の買い時はいつ?
アナリスト評価や株価指数で割高感を確認
足元業績は堅調で、今後に向けた先行投資も盤石なマイクロソフト。
そんな中で、投資家の皆さんの中には、
- マイクロソフトが気になってきた…
- とはいえ、割高なんじゃない?
- 今買うべき?
などと思った方も多いと思います。
たしかに業績が好調だからといって、飛びついて買って損するのは避けたいですよね。
プロのアナリスト評価や定量指標での割高感を確認しましょう。
米国アナリストの目標株価
米国のアナリストが予想した、今後12ヶ月の平均目標株価は$493です。
この記事を更新した2024/10/6時点の株価を起点にすると、約18%の上昇が予想されています。
その中でも、最も高い予想は$600、最も低い予想は$375でした。
また、回答した32名のアナリストのうち、31名が買い推奨をしています。
多くのアナリストが、マイクロソフトがAI技術への積極投資やクラウド事業の成長を背景に、今後も堅調なパフォーマンスを見せると期待しています。
最新のアナリスト予想は、Market Beatから確認できます(上記の引用元です)。
割高感(PER)
次に、マイクロソフトの割高感を確認するために、PERをみましょう。
PERはPrice-to-Earnings Ratioの略で、簡単に言うと、企業が稼ぐ利益(実態)と株価(期待)にどれだけ乖離があるかを表す指標です(参考までに計算式は株価 ÷ EPSs)
利益(実態)の伸び以上に株価(期待)が上がっていくと、PERの数値は大きくなり、割高の評価になります。
一方で、後々利益が伸びていけば株価との乖離は解消し、PERは低くなるので、業績見通しなどとセットで考える必要があります。
上記はマイクロソフトの直近20年間のPER推移です。
ジワジワと右肩上がりで、2024年10月現在は35倍前後です。
過去と比較すると、
過去5年間の平均PER:
• 33.67
過去10年間の平均PER:
• 31.10
なので、PERの数値としては若干割高であるといえます。
最新のPERはFinance Chartsから確認できます(上記の引用元です)。
マイクロソフト株価の10年後を予想!
今後5年、10年と考えた場合、マイクロソフトの株価は右肩上がりでの伸びが期待できるでしょう。
なぜかというと、この記事で紹介をしたように、
- M365の参入障壁の高いビジネスを持つ
- Azureは30%前後の成長率を維持
- 生成AIなどのニーズを取り込むための先行投資
というように、成熟事業・成長事業・先行投資をバランスよく行っているからです。
一方、年間の売上成長率は+15%前後なので、今後もそのペースが続く前提で、一時期のエヌビディアのような劇的な株価上昇は期待できないでしょう。
アナリストが予想しているように、今後12ヶ月で18%の上昇といったラインが妥当ではないでしょうか。
緩やかな上昇期待と、毎年10%前後の増配実績があることから、中長期で保有でより旨みが出る銘柄と思います。
一方、PERは過去推移の上限付近にあり投資家の期待値は高まっている状況。
Azureの成長鈍化や、OpenAIの優位性が損なわれた場合などは、株価下落のリスクもあることを頭に入れておきましょう。
マイクロソフト株価の10年後 まとめ:
米国株投資で豊かな人生を!
本記事では、マイクロソフトの事業概要や注目トピック、研究開発プロジェクトなどをご紹介しました。
マイクロソフトはクラウド事業Azureの高成長で、時価総額TOP3に入るまで成長しました。
今後は生成AIなどで、Azureのニーズはさらに高まると予想されます。
それを見据えて、マイクロソフトは着々と次なるビジネスの種まき(研究開発)をしています。
皆さんもマイクロソフトの10年後の株価を考えてみてはいかがでしょうか?
なお、本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘の意図は一切ございませんので、ご了承ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
米国株投資で、より豊かな人生を描きましょう!
その他、当メディアでは、米国株・日本株の注目銘柄について、投資判断に役立つ最新情報をまとめています。
代表的な記事のリンクを下記に用意したので、ぜひご覧ください。